2008年9月12日金曜日

マニアは狙っている?

陸奥湾西岸を南北に走る青森市の国道280号バイパス沿いで30日まで開かれているイベント「第2回かかしロード280」(実行委員会主催)で、制服姿のかかしが盗まれていることが11日、分かった。昨年に続く2年連続の珍事で、関係者は「マニアが狙っているのではないか」として警戒し、盗まれる可能性の高い服を着せたかかしは、次回から控えることも検討している。【後藤豪】 イベントは、2010年度の東北新幹線・新青森駅開業を歓迎し、地域を活性化させようと地元商店会などが取り組んでおり、今月1日から約15キロ区間に約100体ものかかしが並んでいる。中には、北京五輪金メダリストの北島康介選手や、退陣を表明した福田康夫首相ら、世相を反映したかかしも登場している。 被害にあったのは、60歳以上の高齢者でつくる「油川寿大学学生会」(丹野敏雄会長)作のかかし「ラブラブ寿大学」のうちの1体。少女を想定してかかしに着古した制服を着せ、男子生徒姿のかかしと並べて立てていた。しかし7日朝、前日にかかしの写真を撮った永井幸男(さちお)実行委員長(52)が、制服姿の女子高生かかしだけがなくなっているのに気付いた。 学生会は今年度、入会者が募集人員に満たなかったため、会のPRを狙ってかかしを初出展。8月中旬の2日間、お年寄りの学生約15人がパーツごとに作業を分担して作った。お年寄りたちは、若かったころを振り返って思い出話に花を咲かせていたという。丹野会長は、かかしや実際の学生服がなくなったことを受け、「物がなくなったという話だけでは済まされない。思いがいっぱいこもっている。心を土足で踏みにじるようなものだ」と憤っている。 かかしの盗難は昨年の第1回イベントでもあり、やはり制服姿の女子高生かかしと、顔を黒くした「ガングロ嬢」が行方知れずとなった。永井実行委員長は「外さ置いてあるから、見張ってられない。制服などは盗まれる可能性が高いので、来年からはなるべく作らないように呼びかけていく」といい、警察への被害届は「警察ざたにしてイベントに水を差したくない」として見送る方針だ。