2008年12月4日木曜日

石川遼、有終の美なるか

持ち味といえるドライバーショットが1番から「感触的に良くなかった」。石川遼は514ヤードと距離のある4番(パー4)では第1打を右斜面に打ち込み、「最悪。このままいったら、きょうでこのトーナメントが終わる」と危機感を抱いた。ただ、この難局でも自分を見失わず、非番な才能でスイングを修正してみせた。 「体の開きが早い」と感じ取り、さらにスライスが出る球筋が「手先」の動きにあると気付く。意識しながらスイングすると、6番(パー5)でドライバーの飛距離は315ヤードを記録。この日の初バーディーにつなげた。10番は第2打を隣のホールに打ち込んでしまったが、何とかしのいでパー。これで命拾いして、11番から3連続バーディーを奪い、7位で終えた。 この1年、石川はドライバーで「気持ちの良い」スイングを追究してきた。難コースで行われた10月の日本オープンでは、ドライバーを使わないプロがいる中、狭いフェアウエーを果敢にドライバーで攻略。片山に次ぐ2位に入った。 石川人気もあって初日としては過去10年で大会最多となる5010人の観客が詰め掛けた。アマでの初出場だった昨年は初日3位タイだったが、終わってみれば24位。ただし、プロとして昨年と同じ轍(てつ)は踏まない。「プロとして優勝しているし、賞金も25位以内。自信を持って回りたい」。17歳は決意を新たにした